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故宮から始めるブログ
北京、角楼から始める物語
北京に住んで、もう7年以上になる。
観光地は行きつくしたはずなのに、故宮の角楼を前にすると、いつも胸の奥がざわつく。
この街の歴史の重さが、風に混じってふと肩に触れてくるような感覚。
そんな感情の源を辿ると、やはり最初の旅に行き着く。
20歳の夏、中国との出会い
初めて中国を旅したのは、20歳のころ。
もう30年以上前の話になる。
当時の日本人が抱く中国のイメージといえば、
「自転車」「扉のないトイレ」「人民服」「なんでも食べる」「歴史が長い」
そんな程度の、ぼんやりしたものだった。
そんな時代に、私は映画 ラストエンペラー を観て中国に強く惹かれた。
さらに、居酒屋でアルバイトしていた頃、多くの中国人留学生と仲良くなり、
「彼らの国を見てみたい」と思ったのがすべての始まりだった。
幼馴染と二人、大学生の私たちは夏休みを利用して1か月の中国旅行へ。
航空券が安かったので、まず大阪から香港へ飛び、そこから電車で北上しながら北京を目指した。
初めて見た故宮の衝撃
2週間ほどかけてようやく北京に到着し、
天安門広場から故宮を見た瞬間、私は完全に度肝を抜かれた。
関西人として京都御所には何度か行ったことがあったが、
その比ではない圧倒的な規模。
「国とは、文明とは、ここまで巨大になり得るのか」と、
20歳の私はただ立ち尽くすしかなかった。
当時の中国はまだ貧しく、知り合った40代の男性は
「月給300元(当時のレートで約5000円)」と言っていた。
日本との差に驚きつつも、
「有史以来、中国は常に先進国であり、日本人の憧れだった」
という事実を思い出し、歴史の長さと浮き沈みの大きさに圧倒された。
そして今、経済規模では中国が日本を大きく上回っている。
歴史の流れとは、本当に面白い。
北京に暮らす今、再び故宮を見る理由
今では故宮の巨大さに驚くことはなくなった。
それでも角楼の前に立つと、
あの20歳の夏の感覚が、少しだけ蘇る。
あと何年中国にいるかわからない。
だからこそ、ここで見たもの、聞いたもの、感じたものを記録しておきたい。
そして、中国の魅力を少しでも多くの人に伝えられたらと思い、
このブログを始めることにした。
このブログで書くこと
・北京ローカルの生活
・中国のマニアックな旅
・歴史・文化の断片
・現代中国のガジェット事情
・写真家としての視点
・中国語学習
気の向くままに、現代中国を綴っていくつもりです。
最後に
映画 ラストエンペラー の中で、
溥儀がこんな言葉を残しています。
「私は、ただ自分の見たものを話しただけだ。」
若い頃の私は、この言葉を「歴史の証言」として受け取っていた。
しかし50代になった今は、少し違う意味に聞こえる。
「人は、自分の目で見た世界しか語れない。
だからこそ、見た世界を大切にしよう。」
そんな気持ちで、このブログを始めます。
